今は2017年 S5 Proが発売されたのは、2007年なので、今更S5 Proなんてと思われるかもしれないが、ついこの間まで現役だったので、いかに素晴らしいカメラだったかをここに書いておきたいと思います。ちなみに一眼始めたい方。中古品オススメですよ!
1.Finepix S5 Proとは?
2007年に発売されたAPS-CサイズののスーパーCCDハニカムSR Proを搭載したFujifilmの一眼レフです。今となっては驚く人も多いと思いますが、ボディがニコンのD200がベースとなっており、CCDと処理エンジンやソフトウェアがFujifilmという、夢のようなタッグカメラです。
なぜ、夢のようかと言うと、古くからボディ作りに歴史のあるニコンと、画像の処理(特に色味調整)を写真屋さんのプリントマシンに実装してきたメーカーが、手を組んだのですから、これ以上素晴らしい事はありません。言うならば、ニコンのボディにFujifilm のフィルムを入れたデジカメと言うわけです。
この機種を買ったきっかけは単純で、ダイナミックレンジのある写真が撮りたかったから。この頃デジタル一眼は出始めで、自分もD70sを使用していました。ところがこの当時のデジタル一眼の悩みとしては、コンデジと比べて画質はすばらいしものの、ダイナミックレンジが低く、すぐに白などが飛んでしまうことです。この時代まだフィルムの方が画質が上とも言われていた時代であり、特に軟調な表現の時にダイナミックレンジの広いネガフィルムとの差は歴然としていました。そんな時代に現れたFuji のS5 Proは唯一無二のダイナミックレンジを意識した素子を意図的に搭載した機種なのです。
2.素晴らしい色味と階調
大体撮って1枚目の写真を見たときに、感動するかどうかでそのカメラを愛せるか決まるのですが、このカメラは撮った1枚目の写真で画質に感動しました。何故かというと、ノイズの少なさもあるのですが、何よりも階調豊かで色乗りが良い感じがしました。しかもそれはRAWではなく、Jpeg で出力された画像でです。その後様々なシチュエーションで撮影しましたが、殆どが期待以上の出力で、とても安定した画質でした。作例を何枚か貼って見ます。
3. フィルムメーカーの本気フィルムシミュレーション
Fujiの現行カメラにも入っていますが、S5 Proには6種類のフィルムシミュレーションが入っていました。STDを基本として、スタジオポートレートのF1、少し暖色系のF1a、アスティア調のF1b、彩度高めのF1c、そしてフジクロームを再現したF2です。どれも特徴ある写りをするのですが、F2なんかはフィルムのベルビアに近いシミュレーションなので、使いやすいのではないでしょうか?編集無しで素晴らしい画像が撮れます。また、このカメラの真骨頂はやはりプロネガをシミュレーションしたF1系のモード非常に滑らかで階調ある写真が撮影できます。
富士山8合目付近 F2モード この色を再現するのは結構難しい
F2はわかりやすい作例ですが、S5 Proの真骨頂はやはりプロネガと言われているF1モードです。非常に滑らかで階調ある写真が撮影できます。
如何でしょうか?編集なしで本当にここに掲載した素晴らしい画像を出力するカメラなので、実を言うと2016年秋迄現役でした、その間いくつものデジタル一眼を買ったのですが、この色の表現がどうしても出来なくドナドナされてゆくことになりました。このあたりは、また今度お話したいと思います。